都市伝説

6月3日
例のプロジェクトがついに発足。わたしもメンバーに選ばれる。このプロジェクトがうまくいけば、きっと歴史に名を残す商品が出来上がることだろう。


6月22日
大まかな外見や機能などが決まってきた。見た目に派手にならないよう、かなりコンパクトなものになりそうだ。確かに派手にするものでもない。


6月24日
いよいよ実験開始。どれほどの力を持たせるかで議論が交わされた。弱すぎては意味が無いし、強すぎて怪我をしても困る。私も実験台になりデータを集める。人によって適切と思われる強さがかなり異なっている。解決するには……全てを取り入れるしかない。


6月27日
私の案が通り、ダイヤルで強さの調整を行えるようになった。多少値が上がるかもしれないが、仕方ないところだろう。


7月11日
試作品一号が届く。早速使い心地を皆で試す。大分いいようだ。実際に使用してもみたが、思っていた以上に汚れが落ちる。綺麗好きの日本人にはきっと当たるだろう。それに……これは気持ちがいい。


7月16日
デザイン面での議論終了。修正された企画を提出し、後は通るのを待つだけだ。それにしてもアレはいい。つい会社で残業をしてまで使ってしまう。あそこにいくのがこんなにも快感になろうとは。


8月2日
企画が通った。これでひとまずプロジェクトは終了となる。あとは商品化されたあれを我が家でも購入するだけだ。とりあえず、トイレにいこう。


8月9日
特に理由もなくトイレに籠もることがある。余りよくないことだとわかっているのだが、なぜか上司はそれを咎めない。むしろ熱い眼差しを私に向けてくる。なんだ?


8月13日
上司に尻を触られた。指が尻穴に触れられた瞬間、如何ともし難い快感が私を襲い、危うくそのまま流されるところだった。間一髪逃げ出すことに成功したが、なぜあんな快感が。私にはそっちのケは無いというのに。


8月14日
違う、そうじゃない。知らぬ間に私は彼らの思うように体を変えられていたのだ。そう、全てはあの商品によって。いつのまにか私はその片棒を担がされていたというわけだ。完全に騙された。


8月20日
時既に遅し。商品は既に出荷が終わり、あとは発売を待つだけだ。私は今夜上司に呼び出されている。おそらく正気を保っていられるのも今のうちだろう。もしこの日記を誰かが読んでくれたなら、この悪魔の商品の危険性をどうか皆に伝えてもらいたい。彼らに適した体に作り替えられてしまう、この発明品の事を。私は、もう


9月17日






10月10日



         しり
         あな





ウォシュレット開発者の日記をファイルに閉じました。