はじめての しんれいげんしょう

朝の作業もひと段落しつつ、作業スピードを流しにシフトし、少しずつ入ってきた客に挨拶しながらのんびりと仕事をこなしていた俺の耳元に声がかかった。

「すいません」

若いが弱々しい女性の声を聞いて、振り返った俺の目に映るのは反対側をみているおばちゃんの姿だった。念のため声をかけたかどうか確認してみたが、特に呼んだわけではないとの事。


声をかけるのは全くかまわないのだが、せめて用件までちゃんと伝えて欲しいものだ。