自作の魅惑

腹が減ったので冷蔵庫を空けたらご飯が一盛り置いてあった。スパゲッティでも作ろうと思っていたが、急遽チャーハンを作ってみることにした。料理なんて何年ぶりだろうか。

まずは材料。野菜室を漁って定番のネギを……ネギがない。ネギ無しチャーハンなんて誰が好き好んで食べるんだ。仕方ないのでピーマンで食感を代理してもらう事にする。

続いて肉だ。もちろん肉の常備なんてないので誰も手をつけないソーセージで代用。この際魚肉の文字には目をつぶる事にする。玉子を二つ取り、いざクッキン。

ピーマンを縦に真っ二つ、中央部の種を取り除き、さらに縦に切っていく。切りおえたらそのまま横向きに並べ、さらに細かく切る。

ソーセージのパッケージを剥いて、量調節のため半分をその場で食べ残りをまな板に。縦に真っ二つにしたあと横にして切る。こういう切りかたってなんて言ったかなあ。とりあえず半月切りと名付けておこう。

続いて玉子を溶く。調理台の角に殻をぶつけ、容器に中身を取り出して端でかき混ぜる。味付けはなし。

冷え切ったご飯をレンジで軽く温める。その間にごま油、塩、胡椒、料理酒を用意し、フライパンを温める。テフロン加工なのであまり熱さず早めに油を投入。熱気を感じるようになったところで玉子をぶちまける。ジューといい音を立てて凝固する玉子を箸で適当にかき混ぜる。

ある程度固まったところでピーマンとソーセージを纏めて追加。燃ーえろよ燃えろーよー炎よ燃えろー。焦げないうちにご飯を投入。プラスチック製のへらを使って固まりをいくつかに分断し、ほぐしやすくするため料理酒を注ぐ。

ひたすら固まりをほぐして、真っ平らになったところで塩胡椒をぱらぱらと振る。全体に混ざるように引っ掻き回してー、はい完成。

銀色のスプーンを取り出して一人がっつく。うーん、感動するほど美味くはないがまずいってわけでもない。普通の味だ。料理と言うより調理レベルだから仕方ない。でも自分で作ったと言う贔屓目でそれなりに美味しく感じるからよしとしよう。

何もない日ってのもいいもんだ。