局地的体調不良

妙に具合が悪い。といってもついこの夏に風邪は引いたばかりだ。それなりに免疫機能が働いているだろうから、こんな短期間で風邪を引くとは思えない。しかし鼻水が出ていることは確かだ。ついでに目がかゆくて涙が出る。ずびっ。ううむ、気が散ってしょうがない。

冷静に考えてみれば、目のかゆみと鼻水なんてどう考えても花粉症のそれである。しかし季節は秋真っ盛り。秋に花粉症なんてなるものだろうか。杉花粉だけが花粉だけでないとはいえ、そんな症状聞いたこともない。季節外れの花粉症、となんかのキャッチコピーっぽく呼称してみたりしたが、特に状況は変わらなかった。ずびっ。


月一くらいのペースで通っている中華料理店があるのだが、ここの味噌ラーメンはなかなかおいしいのでよく食べる。しかし、逆をいうと味噌ラーメン以外はあまり勧められるものではない。いや、まだメニュー全てを制覇したわけではないが。

店にいって初めて食べたものは醤油ラーメンで、やはり特においしいとは思わなかった。普段ならそれで二度とその店にはいかないのだが、なぜかこの店はもう一度行って味噌ラーメンを注文するにいたった。結果として半年以上通う付き合いになっているわけだが、なぜ僕はここの醤油ラーメンを食べたときに、二度と行こうと思わなかったのだろうかとたまに考えていた。

理由があったのだ。今日気がついた。

メニューを見ながらなんとなくチャーシューメンを頼んで、それを一口食べたとき、妙な違和感があった。僕は猫舌で、ここの味噌ラーメンを食べるときにはまさに格闘といえる程冷まし冷まし食べている。吹いて吹いて吹いた末にようやく食べられるのだ。しかしチャーシューメンは違った。吹かずに口の中に入れても、ちっとも熱くない。つまりある程度冷めている。どういうことだろう? と思いながら食べ続けて、答えが見つかった。

メンマとチャーシューが冷たい。

つまり、麺を煮て熱々のスープと合わせたまでは熱かったが、そこにおそらく冷蔵庫から持ってきたであろうキンキンに冷えた具がチャーシューメンの熱を奪っていたのだ。あわれ冷えた具は風味と味を幾ばくか殺してしまい、微妙としかいえない味のラーメンにしているのだろう。まずいのではなく、品質が落ちた状態だということだ。逆に味噌ラーメンは具に野菜炒めを乗っけるので、温度が損なわれることはない。だからうまかったんだろう。

さてここまで商品の欠点がわかっているのだが、果してこれを店の人に言うべきか言わざるべきか。カップめん醤油味を啜りながら考えている次第である。秋の夜は深い。