メタルサーガSS 酔いの口

「マスター、エミリを部屋に運び終わりました」
「ありがとうアルファ。じゃ座って座って」
「はい」
「じゃ、グラスを持って。それでは、今年のみんなの躍進と、アルファとの出会いを祝しまして、かんぱーい!」
「かんぱーい」


チン


「……。ぷはーっ。やっぱりジャックさんとこのエリスはおいしいなあ」
「はい」
「一気飲み以外の飲み方には慣れた?」
「はい」
「大宴会、楽しかったね」
「はい」
「町中みんなで集まってさ」
「はい」
「飲めや食えやの大騒ぎ」
「…はい」
「アルファは、ほとんど一気飲み大会のところにいたね」
「…はい」
「やっぱり、あれ好きなんだね」
「……はい」
「お酒の一気飲みは普通やってないしね」
「……はい」
「あれだけ飲んで顔色一つ変えない嬢ちゃんはすげえな! って喜ばれてたね」
「……はい」
「楽しかった?」
「………はい」
「そっか、なら連れてきてよかった」
「………はい」
「実はさ、みんなで騒いで一つわかったことがあるんだ」
「…………はい」
「ジッグラトでミサイル発射をとめて、レオンさんに世界を救ったって言われたけど」
「…………はい」
「あんまり実感、なかったんだ」
「…………はい」
「でも、今日馬鹿騒ぎしてて、なんとなく『これ』を守ったんだと思うとさ」
「……………はい」
「急に嬉しくなっちゃった。それで、こんなにはしゃいで飲みすぎたんだ」
「……………はい」
「だから、一緒に世界を守ったアルファにお礼が言いたくて」
「………………はい」
「本当に、ありがとう」
「………………はい」
「キリヤにも、ちゃんと言わないとね」
「……………………はい」
「ところでさ、アルファ」
「……………………はい」
「さっきから、はいとしか言ってないね」
「………………………はい」
「実は、酔ってきた?」
「…………………………はい」
「……そっか」
「……………………………はい」
「じゃあもう、休まないとね」
「………………………………はい」
「……」
「………………………………」
「……」
「………………………………」
「……」
「………………………………」
「一緒に、寝」
「はい」