「ましょう」の魔性

きっかけはラジオから流れてきたこんな一言だった。

「それでは、この曲をお聞き頂きましょう」

兄貴から物言いがついた。なんかこの表現変じゃね? ていうかムカつかね? と。

何のことかと混乱しながら頭の中でリピートしてたら、確かに違和感がある。というわけで二人で深夜に調べ物を開始。翌日朝から仕事なのに付き合ってしまった俺はアホです。

まず真っ先に上がったのは「お聞き頂き」の部分。「お聞き」の部分は聞くの尊敬語、「頂き」が謙譲語となり、矛盾。ここで不愉快度+1。そして「ましょう」とは何なのかとひたすら話し合う。〜ましょう、というのは果たして丁寧な言い回しになるのだろうか? 例えば、小学校の通信簿の「もっとがんばりましょう」。例えば巨悪紳士の吐きそうなセリフ「死んで頂きましょう」。自分に使う場合の「拙者が暗殺致しましょう」ならともかく、他人に使う場合の「ましょう」って命令の部類に入るんじゃないかというところまでまとまるが、ここで体力の限界を感じご就寝。


翌日、広辞苑(だったと思う)を見てきた兄貴の報告を聞いて仰天。「ましょう」という日本語はないらしい。「ます」の変形と思われる「ましょう」の正しい姿は「まし」「ませ」だそうな。うーん、日本語難しい。


結論:お情け下さいませって素敵な表現