新語を考える

セミってやつはご存知の通り六年も土ん中で過ごして、一週間だけ大空に羽ばたいて命を落す生き物です。わずかしか太陽の下生きられない儚い生物として市民権を得ています。

しかしちょっと待て。こいつほんとにそんなワビサビな生き物か?

そもそも生物の究極の目的は子孫繁栄であり、安産祈願であり、家内の危険日であり、ぶっちゃけ交尾です。しかも一週間しか生きられないわけですから、そりゃもうオスもメスも必死に交尾に励むわけですよこいつらは。樹液交尾惰眠樹液交尾惰眠、食ってヤって寝て食ってヤって寝ての日々ですよ。あのミンミンうるさい夏の風物詩も、人語に解すれば交尾希望交尾希望なわけです。儚いか?

このようにセミというのは欲望に余りにも忠実な生物であるゆえ、なんかこういわゆるヤリチンさんとか雌豚さんとかはセミ男、セミ女と呼称するのが正しい日本語になるのではないかと思いました。きっとそのうち「なんで別れようとか言い出すんだよ!」「うっさいわよこのセミ野郎!」とかそんな痴話喧嘩が見られるものと信じています。

セミが土中に六年間潜伏するように、特殊なお病気も十年くらい潜伏したりしますし。